プログレッシヴ・ロック専門店　World Disque（ワールド・ディスク）

U TOTEM、‘94年のセカンドにして最終作。前作が合体前のそれぞれのバンド（5UU’S／デイヴ・カーマン、モーター・トーテミスト・ギルド／デイヴ・グリグスビー）の双方が作曲を担当していたのに対し、本作は全曲グリグスビーが作曲を担当、本作でもバスーンやダグマー的な歌唱は多用されるものの、前作以上にサンジェイ・クーマーが弾くキーボード類の比重が高まり、その結果よりエレクトリック・アンサンブル感が強くなっている。また、５０年代から作品制作時では未来にあたる2012年までの日本とアメリカ各地を舞台にした物語を時系列をシャッフルして語るという複雑な構成で、時にコミカルな場面も交えたトータル作になっていることもあってか、ザッパの楽劇ものを連想させるところもあり。ダイレクトなインパクトでは一枚目だが、バンドとしての色の確立と緻密な練り上げでは本作。いずれにせよ、どちらもプログレッシヴ・ロックを土台とした第２世代によるアメリカ・レコメン系を代表する作品である。(スタッフN)